生産計画では、EDI情報及び受注登録・受注内示登録で登録された取引先の受注内示(購買計画情報)と受注情報を元に、自社での生産計画を立案します。
この結果は、所要量計算に利用され購買管理・工程管理へと情報が連携されます。
資材所要量計画では、生産計画で確定した基準日程を独立所要量としたMRP処理を実行し、手配情報を作成します。
発注及び製造オーダーのリリース基準日及びリリース期間設定は、MRP展開条件設定にて一括で行います。
MRP処理によって作成されたデータは、以下の処理に使用されます。
- 製造オーダーリリース
- 作業指示書発行(PDF作成)
- 出庫指示書発行(PDF作成)
- 発注オーダーリリース
- 工程外注発注オーダー作成
- 注文書納品書発行(PDF作成)
尚、製番管理品は、生産計画から製番ひも付きでMRPを実行することが可能です。
製番管理専用品については品目共通マスタに製番管理手配区分=1に設定する必要があります。
※最上位品目は製番管理手配区分にかかわらず、生産計画で付与された製番で手配されます。
品目 | 品目 区分 | 総所 要量 | 正味 所要量 | 説明 |
---|---|---|---|---|
バルク | 0 | ○ | × | 発注方針=H、発注はMRPでは実施しない |
製品 | 1 | ○ | ○ | MRP対象品目 |
材料 | 2 | ○ | ○ | MRP対象品目 |
部品 | 3 | ○ | ○ | MRP対象品目 |
中間品(半製品・半成品) | 4 | ○ | ○ | MRP対象品目 |
他工場品 | 5 | ○ | ○ | 他工場への製造依頼品でMRP対象品目 |
ファントム品(仮想部品) | 9 | × | × | |
補助材料 | A | × | × | MRP対象外品目 |
消耗品 | B | × | × | MRP対象外品目 |
その他(間接材) | E | × | × | MRP対象外品目 |
※ファントム品:論理的な品目グループを表し、これらの品目は実際には組立てられません。
※バルク品:大量一括購入品(ボルト、ナット等)で、発注点発注等で発注することが多い品目。
条件 | コード | 総所 要量 | 正味 所要量 | 説明 | |
---|---|---|---|---|---|
MRP 展開 区分 | 1 | ○ | ○ | 対象品目ではあるが、個別発注等で手配 | |
対象外 | 0 | ○ | × | ||
得意先 受給品 | 無償 | M | ○ | × | 得意先から有償又は無償で部品を調達して、製品に加工・組立して納品する部品 |
有償 | Y | ○ | ○ | ||
コック品 | 対象 | 1 | ○ | × | コック品とは、水道の蛇口から水道を出すように、必要なときに必要なだけ資材等を調達する簡易購買方式で、自社倉庫に購買品を預かり、使用した分=購買量として支払を行う調達形式。 |
対象外 | 0 | ○ | ○ |
※得意先受給品:【受給区分】 得意先からどのように支給されるかの区分
M:得意先無償受給品:得意先からの無償支給なので何もしなくてよいが、得意先の在庫把握は必要
Y:得意先有償受給品:得意先からの有償支給なので売掛金等との相殺が必要※仕入先支給品(参考):【支給区分】 仕入先にどのように支給するかの区分
1:無償支給:仕入先に無償支給し、加工後納入する。支給品なので仕入先の在庫把握(棚卸等)が必要。
2:有償支給:仕入先に有償支給し、加工後納入する。売掛処理が必要。
①発注方針=A ロットまとめしない
②発注方針=B 期間まとめ
指定した期間で数量をまとめます。
例.期間まとめ日数=3のとき
日付 9/1 2 3 6 7 8 9 10 13 14 ロットまとめ前 5 4 5 5 10 2 ロットまとめ後 14 15 2
③発注方針=C 曜日まとめ
指定した特定曜日で数量をまとめます、複数曜日指定も可能。
例.曜日まとめ4:水曜日のとき
日付 9/1 2 3 6 7 8 9 10 13 14 曜日 水 木 金 月 火 水 木 金 月 火 ロットまとめ前 5 4 5 5 10 2 ロットまとめ後 29 2
④発注方針=D ロットまとめ(まるめ発注)
指定したロットサイズ単位に数量をまとめます、最終が端数になってもロットサイズでまとめます。
例.ロットサイズ=5のとき
日付 9/1 2 3 6 7 8 9 10 13 14 ロットまとめ前 5 4 5 5 10 2 ロットまとめ後 5 5 5 5 10 5
⑤発注方針=E ロットまとめ(切上げなし)
指定したロットサイズ単位に数量をまとめます、最終は端数のままになります。
例.ロットサイズ=5のとき
日付 9/1 2 3 6 7 8 9 10 13 14 ロットまとめ前 5 4 5 5 10 2 ロットまとめ後 5 5 5 5 10 1
⑥発注方針=F ロットまとめ(ロット分割)
指定したロットサイズ単位に数量をまとめます。最終も端数が出ないようなにロットサイズを設定する必要があります。
ロットサイズより大きいものはロットサイズに分割します。
例.ロットサイズ=5のとき
日付 9/1 2 3 6 7 8 9 10 13 14 ロットまとめ前 5 4 5 5 10 2 ロットまとめ後 5 5 5 5 5、5 5
⑦発注方針=G 曜日まとめ&ロットまとめ(まるめ発注)
指定した特定曜日で、指定したロットサイズ単位に数量をまとめる。
例.曜日まとめ2:月、4:水曜日、ロットサイズ=15のとき
日付 9/1 2 3 6 7 8 9 10 13 14 曜日 水 木 金 月 火 水 木 金 月 火 ロットまとめ前 5 4 5 5 10 2 ロットまとめ後 15 15 15
種類 | 保持マスタ | 内容 | |
---|---|---|---|
①標準リードタイム | 品目手配マスタ | 製造又は購買リードタイム | |
②入庫リードタイム | 品目手配マスタ | 入庫作業リードタイムで検査期間も含む | |
③出庫リードタイム | 品目手配マスタ | 出庫作業リードタイム | |
④梱包リードタイム | 品目手配マスタ | 梱包作業リードタイム | |
⑤輸送リードタイム | 納品先マスタ | 納品先までの輸送リードタイム | |
⑥工順リードタイム | 工順マスタ | 工順別の製造リードタイム | |
⑦手番リードタイム | 品目構成マスタ | 親品目への投入時期調整リードタイム |
例.生産計画 9/3の2シフト目で3個
入庫リードタイム=0h/標準リードタイム=15h
シフト1:前日20:00~当日04:00 稼働時間8h
シフト2:当日04:00~当日12:00 稼働時間8h
シフト3:当日12:00~当日20:00 稼働時間8h
①半製品の手配について
中間組立品を予め先行手配しておき、製品の生産計画が正式に投入された後のMRPでそれを引当する事ができます。共通性の高い中間ユニットまでを見込生産、製品組立は受注生産で運用します。(生産リードタイムの短縮対応)
a.半製品:Aについては、生産計画システムにて計画立案し、先行手配を行う。
b.製品:X、Yの受注が発生したとき、先行手配しておいた、半製品:Aの在庫引当を行う。②セット品の手配について
複数品目をセットにして受注する場合、部品表はセット品(ファントム)として登録します。
MRPはファントム品として受注が発生すると、構成品目を展開して、複数品目の所要を計算します。
①中間品(SubAssy品)が他の工場で製造される場合
a:工場毎に部品表を作成した場合
A場MRP実行時、Bの所要量をB工場MRP時実行時に引き継ぐ処理が必要となります。
A工場からBを発注、B工場ではBの受注を行います。(品番変換をする場合得意先品目変換にて実施)b:全工場の部品表を作成した場合
1回のMRPで全ての所要量を計算します。
②集中購買品について
◇集中購買品については、品目手配マスタに集中購買品フラグを設定する。
◇集中購買品用の工場(事業所)、搬入場所、保管場所の設定が必要
機能(大分類) | 機能(中分類) | 機能(小分類) | 機能説明 |
---|---|---|---|
MRP条件の登録 | MRP展開条件設定 | 照会 | MRPを実行する際に必要な条件の検索を行います。 |
更新 | MRPを実行する際に必要な条件の登録・変更を行います。 | ||
MRP計算 | MRP実行指示 | 実行 | 画面からMRP実行指示を行います。 |
MRP処理 | MRP処理 | 確定した生産計画に基づき所要量を算出するMRPエンジンです。 (1)総所要量計算 ①独立所要量作成 ②従属所要量作成(構成展開) (2)正味所要量計算 ①在庫引当 ②発注残引当 ③不良数加算 ④ロットまとめ ⑤リードタイム計算 | |
MRP結果の検索 | アクションリスト照会 | 照会 | MRPの実行結果でエラー及び警告になったデータを照会します。 |
引当状況照会 | 照会 | 指定品目の在庫数及び入庫予定に、出庫予定を引当し、時系列的に在庫予定の推移を照会します。 | |
親品目ペギング情報照会 | 照会 | 指定品目の作成元となった親所要量を照会します。 |